浄土宗の教えを、五つの書物に基づいて順序だてて詳しくお伝えするのが五重相伝です。初重、二重、三重、四重、第五重の五段階にまとめられたお念仏の教えを五日間かけて重ね説き、信心を確かなものにしてまいります。
浄土宗の檀信徒の皆さんでも、お念仏の御教えがどのようなものなのか意外とご存知ない方が多いことと思います。お念仏をなぜお称えしなければならないのか、正しくお称えするにはどのようにすればよいのか?などなど。せっかく、ご縁により浄土宗の檀信徒になられたのですから、御自身が依り所とされている御教えをこの機会に是非お知り下さり、お念仏をして頂く道標にして頂ければと思います。五日間もかかりますが、一生涯に一度と思えばけっして長いものではありません。
なお、初日から四日間は勧誡師様のお説教をお聞き頂き、その合間にお念仏を称え、先に亡くなられた贈五重の方々の菩提を弔います。最後の五日目には、口伝にて教わる最も重要な正伝法の儀式が行われます。そして、その証として「誉号」の付いた戒名と伝巻(血脈)をお授けします。戒名は亡くなってから付けるものと思われがちですが、本来はこのように仏教徒になった証として生前に授かる尊い名前なのです。
五重相伝は浄土宗の真髄を知り、濁りけがれた己の心を洗い、人生を見直すよい修養の機会になりましょう。浄土宗の檀信徒なら、一度はお受け頂きたいものです。次回の五重開筵まで十数年の期間があきますので、是非この機会にお受け下さい。 合 掌